「おいしい手延麺のための小麦粉を作りたい」
スズキ麺工の始まりは、水車を動力とした石臼で小麦を挽き小麦粉を作ることでした。当時、近隣には手延麺の生産者の創業が相次ぎ、 鴨方が手延麺の産地として大きな発展を遂げる創成期でした。創業者である鈴木弥市は、鴨方地域の手延麺の生産者に良質な小麦粉の提供を開始したのです。 作った小麦粉が手延麺の製造に適しているかどうか、自分で確かめなければならないという信念を持って、実際に手延麺を製造して検証を繰り返し、そこから粉体の「こねる」「ねじる」「のばす」「乾かす」という麺づくりに必要な技術を蓄積し、麺製造業に転身しました。
「従業員の心身の負担を軽くして喜ばせたい」
手延べ工程は体力的にきついという作業者からの声を聴くようになり、鈴木弥市はその作業者の負担を軽くしたいという思いで、 社内向けに二丁掛カケバ機という道具の開発に成功しました。飛躍的に製造のスピードが向上し、心身への負担が軽くなり作業者が喜んだのです。
「麺業界の発展に貢献したい」
近隣の麺製造の生産者へ二丁掛カケバ機を提供するようになったのが、スズキ麺工の麺製造機械やプラント作りを始めるきっかけです。 この結果、麺製造の現場の声に耳を傾け、安全や品質・生産性の高い設備を開発し、麺業界の発展に貢献するというDNAが生まれたのです。
スズキ麺工は、「麺と麺機の未来を拓く」という崇高な経営理念の元、麺業界のリーディングカンパニーとして存在し続けます。 それは麺づくりの伝統を継承するということであり、同時に、麺づくりの革新をし続けるということです。 常に麺のプロフェッショナルとして、お客様のニーズに敏感に、ものづくりの心を大切に、最新鋭の技術を常に取り入れながら、麺業界の発展に貢献していきます。
私たちは大正11年に創業して以来「麺と麺機の未来をひらく」という事業目的の実現に向け、麺業界の革新に邁進してきました。 そして今日、「麺」は世界中で愛され親しまれる存在となっております。 私たちが日常生活で当たり前のように口にする麺の発展の歴史には、関係する方々の多大なる努力がありました。 当社は水車による製粉からスタートし麺製造に転身しました。当時、麺製造は手作業が中心であり、特に手延べ製麺には多大な労力がかかっていました。 そこで創業者である鈴木弥市は「二丁掛カケバ機」を開発し自社の為に活用してきましたが、他の製麺会社からの要請もあり、惜しみもなくその技術を提供したのが当社の製麺機械製作の始まりとなりました。 製麺業界の仕事をより簡単で楽なものにする取り組みとして発展し、今日に至ります。 そして現在、国内最大の乾麺プラントから手延べ用の道具・研究開発用の小型麺機に至るまで、多種多様な製麺機械を手掛けるに至っています。 それは機械作りの原点である小さな歯車加工から麺帯を線状に切り出す切刃加工まで、一貫して社内で製造する技術を蓄積してきたからこそ可能になったことです。 つまりスズキ麺工には「新しいもの」「楽にするもの」「安心で安全なもの」を作り出すDNAが育まれているのです。 このように、当社は今まで築いてきた麺の製造と製麺機械の製作技術を融合し昇華させることで、麺づくりのソフトとハードの両面をもつ唯一の会社となっています。 そして、麺の新製品開発の支援や、様々な麺種に対応した生産性の高いプラントや製麺機械を開発していきます。 また、自社食品工場内でHACCPおよびISO22000等の導入を行っており、そこで得た知見をもとに自社が制作する設備に対しても食品衛生に対する社会からの要請に対応しています。 これらの取組により麺業界の発展に貢献し、更には当社のルーツである粉体加工の「こねる」「のばす」「ねじる」「きる」という技術を生かし事業領域を広げ、世のため人のために「食」の可能性をさらに追及していく所存です。 今後ともスズキ麺工にご期待ください。 代表取締役 鈴木 保夫
大正11年 | 故 相談役 鈴木弥市によって「手延べそうめん製造業」として創業 |
---|---|
昭和5年 | 手延べそうめん用「二丁掛カケバ機」の発明、特許取得を契機に麺機設備の開発を開始 |
昭和23年 | 鈴木麺工業株式会社を設立、資本金八十万円 |
昭和38年 | 一般製麺用「スーパーミキサー」の開発 |
昭和39年 | 近代化功績企業として岡山県知事表彰の受賞 |
昭和46年 | 「生八つ橋(菓子)製造機」の開発 |
昭和47年 | 業界の育成工場への貢献企業として農林大臣感謝状の受理 |
昭和48年 | 即席ラーメン工場の建設 |
昭和49年 | 株式会社スズキ麺工に改称、資本金二千万に増資 |
昭和51年 | 三木祈念賞、中小企業庁長官発明奨励賞の受賞 |
昭和52年 | 米麺(ライスめん)製造機の開発 |
昭和53年 | 発明表彰、発明協会会長奨励賞の受賞「生八つ橋製造機」 |
昭和54年 | 発明表彰、科学技術庁長官奨励賞の受賞「手延べそうめん自動子引装置」 |
昭和57年 | 即席めん製造プラント建設に対するフランス政府感謝状の受理 |
昭和59年 | 発明表彰、中小企業長官奨励賞の受賞「麺線自動大引き機」 |
平成3年 | 全国発明表彰、科学技術庁長官賞の受賞「手延麺製造装置」 |
平成6年 | 手延製半生ラーメンの開発 |
平成8年 | 真空型スーパーミキサーの開発 |
平成15年 | 組織内に「切刃部」を増設 |
平成18年 | 食品生産管理システム、HACCP対応型製麺機の開発 |
平成19年 | ラーメン・うどん店などの自家製麺向け小型麺機「めん屋の楽麺くん」を開発 「めん屋の楽麺くん」食品産業技術功労賞受賞 |
平成20年 | 「お客様製品情報統合システム」の開発・稼働 |
平成22年 | 第十三回日本食優秀食品機械資材・素材賞を受賞 国立天文台開所50周年に伴い、天体物理観測所の観測機械の50年に亘る改良、制作に伴う感謝状を受理 |
平成23年 | 食品事業部、半生麺工場にて食品衛生管理システムISO22000の認証を取得 全国製麺協同組合より、高度化計画(HACCP)の認定 |
平成25年 | 機械製作工場屋上に太陽光発電システムを稼働させる 全国製麺協同組合より、発明功労賞を受賞 |
平成26年 | 食品工場においてFSSC22000認証を取得 機械工場に中四国最大級の円筒研磨機(ジェイテクト製)を導入 |
平成28年 | 西日本放送「地域発輝くカンパニー紹介ルック」にて、オンリーワン企業として放映される 岡山県地域人材育成講座の研修企業に選ばれる |